歴史を好きになって成績を上げる方法

なぜ歴史が苦手になるのか

小学校高学年になると社会の時間で日本の歴史を勉強し始めます。マンモスを追いかけてきた遠い過去から私たちが生きる21世紀の現在まで、まるで長い時の流れの中を旅するような、本来それはもう面白い科目です。しかしお子さんの中には「歴史が嫌い」と断言してしまう子が多いのも事実。そんな子たちが理由を聞かれると口をそろえて「暗記が苦手だから」と言うのです。

確かに歴史は人物や事件、年号など比較的暗記事項が多い科目です。だからこの事件の名前を暗記、あの本の著者を暗記と、様々な事項をひたすらに暗記しているうちに「あれ、今覚えていることって何で重要なんだっけ」と、自分が覚えていることが何なのかすら見失ってしまって、頭の中にはよくわからない人名年号ばかり残る、ということがおきます。もしくはその単純な暗記作業に辟易してしまって、歴史を学ぶことを放棄し、「自分は歴史が苦手なんだ」という意識を抱いてしまうパターンもあります。

本来歴史を学ぶって何でしたっけ

しかしながら、歴史は本来「時間とともに移り変わる世の中の動きを記録したもの」つまり、歴史を学ぶということは「世の中の流れ」を学ぶということです。歴史という壮大な物語を追いかけるということは、登場人物や事件を頭の中で結び付けていくという作業です。つまり流れ、そして流れの中の因果関係を丁寧に見るということが歴史を学ぶ本質であるはずです。流れと因果関係を確認する、そうすれば歴史の学習が個々のぶつ切りの暗記作業ではなくなるはずです。

と、言いながらも小学生の歴史の時間は限られています。はっきり言って、ゆったりと日本史という長いストーリーを読み込むには短すぎます。だから単なる暗記作業と化しやすいとも言えます。これでは歴史を面白いと思える良い機会を逃してしまうかもしれません。

制約の中、歴史を学ぶ良い方法はないのか

そんな忙しい小学生に、とっても分かりやすく、かつ楽しく歴史の流れを勉強する方法があります。それは、なんのことはない「歴史マンガを読むこと」です。マンガの良いところは「イラストがたくさんあって分かりやすい」「コミカルで楽しみながら読める」「本よりも短時間で読み終わる」などなどたくさん挙げられます。これらの利点は全て小学生が歴史を学ぶのに大切なポイントとなります。

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想像しにくい過去の事がらでも、生き生きとした登場人物が面白おかしくストーリーを展開していく様を目にしていくうちに、すっかりその時代に自分がタイムスリップしたような気持ちになります。そしてその時代、その時代の人びとの様子や社会の様子をしっかり理解できるようになるのです。

事実を淡々と覚えようとしたら、「○○はなぜこんな政治を行ったのだろう」「A国はどうしてB国を侵略したのだろう」といった「動機」を見逃してしまいがちです。ですが、歴史はいわば人間の過去の記録であり、歴史を動かすのは常に人間です。人間の行動には必ず気持ち(根拠)があります(国語でも習う標語ですね)。つまり、歴史を動かしてきた登場人物の気持ちや、登場人物たちを取り巻く状況が分かれば、彼らがつむいできた歴史の流れを納得しながら理解できるはずです。歴史マンガは、教科書だけでは分からない当時の人びとの「気持ち」を、絵とストーリーにより私たちに想像させ、しっかり伝えてくれます。

もちろん歴史マンガは、ところどころストーリーを盛り上げるために脚色が加えられていて史実とは少し異なる部分もあります。ですが、大事なのは「歴史は面白い」と感じることなのです。「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、やはりその教科に興味を持って学ぶ子は伸びます。

何度も言うように、歴史という科目は覚えることが膨大です。しかしながら覚えることに躍起になりすぎて、「流れをつかむ」という最も大切な部分が抜け落ちてしまっては本末転倒です。そうならないためにも、楽しみながら歴史の流れを抑えることが出来る、歴史マンガをぜひ学習のお供にしてみてはいかがでしょうか。