「失敗上手」が成功する

他の人より先にトライする。
低コストで次にいかす「失敗上手」こそ貴重な能力です。

保護者の方が「この能力が大事だ」と気づいたのなら、自ら積極的に動かないといけません。まだまだ「失敗を避けろ!」という外圧が多いので、知らず知らずのうちに「失敗恐怖症」となってしまいます。
多くの大人はこの能力が物を言うような環境で生きてこなかったため、指導する立場になったとしても「失敗は悪」という前提で接してしまっているのです。

ご家庭で「失敗力」を伸ばすコツは、保護者が積極的に「失敗」を見せていくことです。
保護者の方はどうしても子供の前で「こうすればうまくいくよ」という成功のお手本をパッと見せてしまいがちです。「とりあえずやってみた」「違ったら、落ち込んだり恥ずかしがったりせず検証して次に取り組む」というサイクルをわざと見せてあげることが貴重な学びになります。
伸びていくお子さんは間違いなくこのサイクルが身についているのですが、学校などの場では友人がどのようにトライアンドエラーをしているかを目にする機会がないのです。どうしても「成功」を披露する場になってしまっています。

私は生徒から算数の質問を受けたときには、最短距離の「こうすればうまく解けるよ!」を見せるのではなく、生徒のレベルに合わせて「こうしてみようかな〜。違うな〜」といった試行錯誤を共有しています。

「いいから怖がらずにやってみて!」だけでなく、「上手な失敗の仕方」を学ぶ機会を戦略的に創っていきましょう。