教養とはトリビアのことではない

「ゴッホは浮世絵の影響を受けているんですよ〜」
「存在するとは行動することであるっていったのはカントだよね」

知識だけではなく教養が大事といいつつ、それって世界史とか倫理の穴埋め問題と同じレベルですよね?

「エグゼクティブは会話の中での教養が大事」という説もありますが、こんな会話でビジネスが進むわけがありません。

教養ブームですが、ビジネスマンに対して主に「芸術」と「歴史」そして「科学」のトリビアをなんとなく「教養」と呼んで、それを知っていることでなんとなく幅広い人間になった気になれますよねというのが実情でしょうか。

私は「教養」=「受験穴埋めトリビア」ではないと考えています。

「ゴッホが浮世絵の影響を受けた」を知っていることは単なる世界美術史の知識です。それを知っているだけではただの受験生です。

そこから、
「なぜ影響を受けたのか?」
「西洋人が遠い異国の芸術を受け入れたという事実は何を意味しているのか?」
「その事例は今の私たちにどのような示唆をあたえてくれるのか?」
を引き出す力こそが「教養」なのではないでしょうか。

ビジネスではない分野の出来事を「知識」として終わらせるのではなく、そこにある因果関係などを「なぜ?」という姿勢によって自分の知恵としていくのです。
つまり他分野の知識をケーススタディとして今に活かす。
それが教養なのだと思います。

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