なぜ事実と意見を分ける必要があるのか?

「今日は30度ある。とても暑いな」
と言ったら、どの部分が事実でどの部分が意見か、見分けるのは難しくありませんよね。

事実

事実とは、「このリンゴは赤い」や「昨日の売り上げは昨年より良かった」など、正しいか間違っているかが誰でもわかるものです。
※注意が必要なのは、正しい事実と間違った事実の違いがあることです

意見

意見とは、人によって異なるものです。
例えば「とても暑い」とか「とても人気がある」といった表現は、その人の判断、感じ方による意見ですよね。

このような指導は小学生の頃からよく受けるもので、ロジカルシンキング(論理的思考)においても非常に重視されています。

では、なぜこのようなことを学ぶ必要があるのでしょうか。

意見を事実のように見せかけて、「根拠」として使うことがある

「最近の若者は文字を好まないので、映像で訴求すべきだ」

例えば、こんなことを言う人がいるとします。これはただの意見ですが、この意見を事実のように使ってプレゼンすると、他の人が納得してしまうことがあります。

「本当に最近の若者は文字を好まないのか」を意見として捉え、その根拠をしっかり検証しなくてはいけないにも関わらず、事実として検証がいらないと考えてしまいがちです。
意見を事実のように使ってしまうと、グラグラした土壌の上に何の対策もせずに家を立てるようなものでいつか必ずトラブルが発生するのです。

特にビジネスの場においては、自分に都合の良い情報を事実のように扱ってしまいがちです。しかし、「事実」の分析によって避けられるリスクはできる限り避けなくてはいけません。

説明する側になっても説明を受ける側になっても、常にそういったアンテナを張っていたいものです。

そのためには、事実と意見をしっかりと区別し、根拠を持つことが重要です。

子供たちにも、このような考え方を教えていくことが大切です。事実と意見を正しく判断できる力を身につけておく必要があります。

学習塾ロジムでは、子供たちが自分の考えをしっかりと持ち、意見を正しく伝えるスキルを身につけるための授業を行っています。

中でも、「親にゲームを買ってもらうためのプレゼンをしてみよう」というテーマの回が一番盛り上がります。意見や都合のよい事例を普遍的な事実のように都合よく引き合いに出したり、泣きを入れるなど感情に訴えたり、あの手この手を駆使します。

しかし、一歩立ち止まってクラス全体で「親の立場」でそれらを検証してみようという時間になると、小学生でも説得力のなさには気づくものです。

「相手がノーというとしたらどこが引っかかるだろうか?」という検証を入れることで、思い込みや都合のよい解釈(確証バイアスといいます)に気づくことができます。

事実と意見を正しく判断する練習をしておくことで、思考力や自分の考えを他の人に伝える力が向上します。

ぜひ、小学生のうちからこの大切なスキルを身につけるお手伝いをしてあげてください。